最近の猫ブームのせいもあってか、統計では飼い猫の数が飼い犬の数を上回ったそうで、私の周りでも猫を飼う家が増えています。
そこでよく話題になるのが「猫は室内飼いがいいのか、放し飼いがいいのか」ということです。
今回はそのことについて考えてみました。
猫はもともと野生動物
人間以外の動物はすべて野生動物で、ペットにするためにその動物の生活に人間が介入しなかったら過酷な環境のもとで行きていかなければいけません。
猫の場合には、完全室内飼いは食べるものも寝るところも遊ぶものも与えるという人間の介入の最たるものではないでしょうか。
そして一匹だけや雄だけ、あるいは雌だけで飼っている場合、生殖行為をするということはできません。
動物の最も根本的な本能は子孫を残すということであり、 その本能による行動を奪うことはこれで本当に幸せだと言えるのかなと思います。
猫ちゃんを家の外に出す場合でも、何もしなかったら野良猫が増えてしまいますから去勢手術は必要です。
去勢手術をしても交尾はしますので、去勢手術が本能による行動を奪うということにはなりません。
一匹だけ、または同性だけの完全室内飼いはいかがなものかと思います。
猫の寿命
(一社)ペットフード協会が2018年に行った調査によると、家の外に出る猫の平均寿命は13.63歳で、家の外に出ない猫の平均寿命は15.97歳だったそうです。
放し飼いと室内飼いの猫では2年以上の寿命の差があるということになり、この差は感染症にかかりやすさや事故の遭遇しやすさなどによります。
これを知ると「やっぱり室内飼いのほうがいいのか」と思ってしまいますが、ちょっと待ってください。
もし、あなたが「理想的な食事や運動する場を与えられ、睡眠時間も管理されて健康的に過ごせる。ただしセックスする相手は選べず、さらにすべてのことを完全無菌室内で行い、そこから出てはいけない」と言われたらそれで幸せですか?
私はそうは思いません。自分が何歳まで生きるかなんてわかりませんし、だからこそ生きているうちに雄大な景色を見に行きたい、電車や飛行機に乗って旅行もしたい、興奮するような体験もしたいと思います。テレビの画面で見ているだけでは満足できませんよね。
それに、ウィキペディアによると完全な野良猫の寿命は3年から5年くらいで、大半は子猫のうちに死亡してしまうそうです。
まさに野生動物と同じなんですけど、それが人に飼われることによってたとえ外に出たとしても寿命が2倍以上伸びるって、猫ちゃんも幸せなのではないでしょうか。
周りへの配慮
動物をペットとして飼うことは人間のエゴにほかならないですし、室内飼いなんて究極のエゴだと思います。
ここまで猫にとっては放し飼いのほうがいいのでは?ということを書いてきました。
でも、周りの人たちへの配慮も忘れてはいけません。
私が住んでいるところは大変な田舎で、隣の家まで数十メートルあり、家の周りは田んぼと畑ばかり。
うちのハナちゃんを外に出してもハナちゃんの行動範囲はほとんどが我が家の敷地内だけで、道路にも出ないし周りに住んでいる人に迷惑をかけることはありません。
たまに家の畑で芽を出した野菜の苗を踏みつぶすことはありますが、「しょうがないな~」とあきらめてます。
だけど、市街地に住んでいる人にとってはこうはいきません。
猫ちゃんを外に出すことによって、よその家の敷地内や部屋に侵入する、そこで糞をするなんてことは大迷惑になります。
さらにその家で小鳥が飼われていたり、その家に猫アレルギーの人がいたりしたら大変なことにもなりかねません。
まわりの家に住んでいる人の詳細など完全にわからなので、市街地では猫の放し飼いは無理と認識すべきでしょう。
まとめ
- 室内飼いは猫の本能を奪ってしまうことになりかねない
- 野良猫の平均寿命に比べ、放し飼いの猫は2.7倍、室内飼いは3,2倍長生き
- 市街地での猫の放し飼いは無理
放し飼いといっても、多くの場合は猫ちゃんが「外に出たいよ~」とニャーニャー鳴いたときに外に出し、「中に入れて~」と鳴いたときに家に入れる、という飼い方なのではないでしょうか。
猫ちゃんを一日中外に出しているという飼い主は少ないと思います。
ネットで調べると猫ちゃんの放し飼いと室内飼いのメリットやデメリット云々という記事がいくつもあります。
でも、どっちが幸せなのかなんて猫ちゃんに聞かないとわかりません。
ここに書いたことはあくまでも私個人の考えです。
猫ちゃんを飼うときにはご自身でじっくり考えて決めてくださいね。
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